2010年6月12日土曜日

愛なき女 / Woman Without Love


愛なき女 / Woman Without Love

円熟に入った淡々としたエルヴィス・プレスリーが実にすばらしい。若さの代わりに手に入れたものが響いてくる。

<愛なき女>のバックコーラスは抜群にいい。同じくあの「エルヴィス・イン・コンサート」の<今夜はひとりかい?>のコーラスには泣ける。 聴くたびにいつも気持がやさしさに向かって転がって行く。人間はとてつもなく素晴らしいことができるんだと勇気づけられる。

大事なことは人生を愛していること。

「エルヴィス・オン・ステージ」には少しばかり違和感があったが感動した。
「エルヴィス・オン・ツアー」は互いに心密かに想っていた人との最後のデートをした。
<別離の歌>の文字を見るだけでその人のこと、そのことを思い出す。好きな曲だけど、そんなこともあってあまり聴かない。

「エルヴィス・ナウ」「ラヴレター・フロム・エルヴィス」が苦手だったが、「エルヴィス・カントリー」は気持よかった。
リリースされたばかりの<マイボーイ>に感動していた友人の興奮を聞かされた後、その友人の離婚の証人になった。ふたりはいまでも喧嘩しながら暮らしている。そのようにしか暮らせない二人は、おそらく墓場でも喧嘩し続けるのだろう。

いくつもの季節が過ぎて、やがて2年近く寝袋で生活したり、1年近く病床生活を送ったり、忙しくて音楽を聴く機会は減っていった。
興味がなかったアルバム「エルヴィス・トゥデイ(TODAY)」をずっと遅れて時間差のなかで聴いた。

<恋のトラブル><愛なき女><嘆きのスーザン><想い出のグリーングラス><想い出の影><シェイク・ア・ハンド><アンド・アイ・ラブ・ハー・ソー><ピーシズ・オブ・マイ・ライフ><フェアリテイル>・・・どれももいい。エルヴィスの人柄がにじみ出るような味わいがのあるアルバムだ。
えらく変わった気がしたが、人生を愛する歌をたくさん歌ってくれていたエルヴィス・プレスリーは、やはりここでも人生を愛する歌を歌ってくれていた。<フェアリテイル>の伴奏だけでも幸福な気分になれる。
身も心もガタがきているそうだけど、あの日のエルヴィスの風が吹いていた。

エルヴィス・プレスリーに作曲する才能がなかったなんて思ったことがない。エルヴィスの関心が・・・どう歌おうか・・・に集中していただけだ。医師が自分のカラダより患者のカラダに心を奪われるのと同じことだ。

エルヴィスの遺したエルヴィスの心を聴いていると、自分はもっと人生を愛し、人を愛し、もっと素晴らしいことを実現しないといけないという気になる。
エルヴィスは終わらない。

自分の耳には、遠い日の<広い世界のチャンピオン><心の届かぬラヴレター><ボサノヴァベビー><ラスベガス万才>が流れ、それらと一緒に<愛なき女>が響く。

WOMAN WITHOUT LOVE

Her eyes telf the story so well
She trles hard to h de
So little expected, too often neglected
A woman stripped of her pride
Always s o careful not to cry
Until I fall asleep
Then there in the silence
She lies with a tear on her cheek

The thought comes to mind
That read t somehow
Far hear it I can't quite recall
That a man without love's only half or a man
But a woman is nothing at all

She knows don't ave her
Although heaven knows i've tried
Her reason ror living to go might on giving
The cne thing lhat she's been denied
Without any warning in the wee hours
Of the morni ng she crios
Her deep inside she tries so to hide
Is beginning to show in her eyes

The thought comes to mind
That read tsametimes
Fcr hear it I can't quite recalll
That a man without love's only half of man
But a waman is nothing at all

That a man without love's only half cf a man
But a wcman iis nothing at all